アフターコロナ時代のフィットネスクラブ戦略

注)この記事は2021年8月24日に執筆したものです。


今までクラスターが発生していなかったデパ地下などでも感染が拡大している第五派。原因となるデルタ株が猛威を奮っています。 デルタ株は従来株よりも体内のウイルス量が約1000倍も多く、ごくわずかな会話でも感染の恐れがあるとメディア報道で伝えられています。

日々新たな情報が出てくる新型コロナ。今号の発売までに世の中がどうなっているのか想像もできない状況です。

本来ならばオリンピックが終わり、秋の集客時期も合間ってV字回復を夢見ていたクラブも多かったはず。

事実、アメリカではワクチン接種が始まり、フィットネスクラブは会員が元に戻ってきたというレポートがありましたが、数ヶ月遅れで日本も同様になるものと思っていました。

しかし、一時はコロナ前に戻ったように見えたアメリカでも、デルタ株による感染拡大の影響で様々な規制が始まっています。

例として、12歳以上の79%がワクチン接種を終えたサンフランシスコでは、屋内の飲食店やフィットネスジムを利用するのにワクチン接種完了証明(ワクチンパスポート)が必要に。この動きはドイツやフランスなどに広がっています。今後は、ショッピングセンターに入るのにも、飛行機や電車での移動にも、病院に行くにもワクチンパスポートが必要になってくる時代がやってきそうです。

日本では8/22時点で41%が2回のワクチン接種が終了しており、11月までには希望者全員がワクチン摂取を終了できる見込みとのこと。そうなれば集団免疫を獲得し、欧米に見習ってワクチンパスポートが導入されて、アフターコロナ時代がスタートしていくことになるのでは?と予測できます。

では、ここからが本題です。

これらの状況や予測を踏まえ、会員数が半減したフィットネスクラブを復活させるために、今何をしなければならないのか?を考えていきたいと思います。先が見えない今、あくまで予測ベースとなりますのでご了承ください。

総合クラブ

コロナ禍においても24時間ジムなど小型業態は店舗数を増やしています。総合クラブにとってはエリア内の選択肢が増えるわけですから、集客に影響が出るのは仕方ありません。いままでは対抗策として24時間営業にしたり、フリーウエイトを増強したりと、同じ土俵でマウントを取ろうとしていましたが、ターゲットとなる筋トレ好き20−30代の男性人口自体が増えるわけでもないので、思ったような集客アップにはつながらなかったはずです。経費アップ分の売上が補えていれば上等ではないでしょうか。

では、どうすれば良いのでしょうか?

答えは明確。総合クラブ黄金期を復活させることです。

総合クラブ黄金期を復活

マスクで顔を隠し、話をするのも規制される、常にウイルスに怯える日々。そんなコロナ自粛で疲れた人々は楽しかった日々を懐かしんでいます。

数あるレジャーの中でも、定額で毎日通え、スタジオ・プールで多くのプログラムが開催される総合クラブは一番身近な存在です。

私のクライアントクラブでは、その日が来るのを信じて準備に取り掛かっています。

<スタジオ>

・過去も含め人気プログラム全て復活

・地域最多のレッスン数を目指す

各クラブでリストラやレッスンフィー減額の目に合っているフリーインストラクターに対し、積極的にアプローチして確保に動いています。募集はPRも兼ねてSNS広告を使い、クラブの姿勢を地域に発信していく。自然とクラブが活性化していきます。

<プール>

・アクアビクス系プログラム全て復活

・地域最多のレッスン数を目指す

全盛期のアクアビクスは1レッスンで70名くらい集客していました。現在のクラブスタッフの多くは全盛期のプールプログラムを知りません。知らないと当然取り組む姿勢にも大きく影響します。レッスン技術を磨く研修を行うにもモチベーションが上がらないはずです。過去の写真や動画などを見せ、なぜ流行ったのか?なぜ衰退したのか?業界事情をしっかり教えることも大切です。コロナ自粛で体力の低下した高齢者の運動にはプールが最適なことは誰の目にも確かですし、総合クラブでしか提供できないレッスンなので大きな差別化になります。

<カルチャー>

カルチャースクールはコロナ禍でも集客が大きく落ち込みませんでした。海外でもチームトレーニングと名前が違いますが、要は同じカルチャースクールが人気です。

カルチャースクールは月額6,000円、1回当たり1,500円程度が相場です。考えてみれば凄く割りの良いビジネスです。会員から追加課金を取るクラブプログラム上位版の開発は取り組んでいるクラブも見かけますが、カルチャースクールと割り切ったプログラムを積極的に導入していこうというクラブはまだ少ない。一見総合クラブと関係のなさそうなプログラムであっても、来館するということはクラブと接点ができますので、そこからのアプローチはとても容易となるはずです。まずは地域交流の場となることを目指すことです。

そんな視点から私が注目している和太鼓Fit。体験会は数日で満席となる人気ぶり。参加者は高齢者が多くカーブスに通う層と同じ。特徴は和太鼓を叩きながら、歌も歌い、脳トレもエアロビクスも盛り込まれている。遊びながら、学びながら、結果的にフィットネスになる緻密なプログラム構築がされています。新しくも懐かしくもある和太鼓Fitは大注目です。同様の隠れたヒットコンテンツはまだいくつも存在するはずです。探す気持ちが大切です。


写真:和太鼓Fitプログラム開発者:石川昌志様


総合クラブを復活させるには、上記のように黄金期の活気あふれる環境をまずは整えることです。後ろ向きになっているクラブが多い今、個性あるインストラクターをかき集め、どこよりも魅力的なプログラム天国を目指しているとPRすることです。

実際運用するとなると、ワクチン摂取後の世の中といえども安心安全を考慮するのは当然なので、定員コントロールのためのレッスン予約制システムは必須です。

この記事を読んで、こんな極端な発想は無理というクラブ経営者もいるでしょう。その場合、もう一方の策としてはプールを潰し、ジムスタジオを大拡張して周辺の24時間ジムを一掃するなど、根本的に運営を変えていく必要があるでしょう。この点については過去記事で詳しく書いています。とにかく、何もせずに待っていても会員は戻ってきません。

プログラムフィットネスジム

飽和状態の放置型24時間ジム。生き残りをかけた価格競争もはじまっています。競合が増え会員が集まらないから価格を下げる・・・まさに地獄の始まりです。オーナーは経営が厳しくなり、従業員は将来に不安を感じ、会員は混雑で不満を感じることになる。結果、誰も幸せにならないクラブになってしまう。

前号の記事で、24時間ジムといえども、生き残りに勝つには規模が大きく、スタジオを持ち、基本的な指導サービスを行うことだと私は考えています。

では規模小さいクラブはどうすれば? この問いに女性専用ジムとプログラムフィットネスジムへの転換を提案させていただきました。今号では当社が開発したプログラムフィットネスジムを紹介します。


写真は9月1日に国分寺駅前にオープンしたプログラムフィットネスジムになります。ホームページを見ていただければ動画でクラブコンセプトが紹介されています。

特徴は、運動初心者でも迷わないように運動の順番を決め4つのゾーンを巡ります。

① 緩める 筋膜リリースとストレッチマシン

② 整える 専用スタジオでスパインコレクターを使用した姿勢矯正メソッド

③ 固める 体力や目的に合わせた3種類のマシンゾーン(高齢者&リハビリ・一般・女性&アスリート)

痩せる BFR加圧エクササイズを使用したプチパーソナルトレーニング


24時間ジムと真逆の戦略なのは理解いただけると思います。最後にBFR加圧を加えることでスタッフとのコミュニケーションが生まれ満足度が上がります。

規模が小さい24時間ジムは、大型、低価格になっていく競合と消耗戦をするより、24時間ジムのターゲットから外れている層を狙いに行くことです。


まとめ

ワクチンが行き渡り、早く欧米のように規制が緩和されることを願うばかりです。でも、いざという時に何の準備もしていなければ、チャンスを逃してしまいます。進む進路を決め今から準備を怠らないようにしましょう。

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