クラブの商圏が確実に小さくなっている。
以前は郊外ロードサイドの総合クラブであれば商圏は5km。車商圏では15分と考えていました。
最近では広域からの集客は薄まり、商圏は3km程度まで縮小している傾向が見られます。
やはりクラブ選びには通いやすさが重要であり、次々増える24時間ジムなどが影響しているのは明らかです。
商圏が小さくなるということは、以前のような会員数を獲得することは難しく、これからは客単価を上げることに注力する時代になったということを意味します。
今号では、クラブ運営変革を求められる今、スタッフのセールス力強化をどのように行えば効果的かを考えていきたいと思います。
スタジオ変革
女性に人気のスタジオプログラム。放置型24時間ジムにはないアイテムなので、広域から集客できる武器です。
現状のスタジオの問題点といえば、常連会員による連続受講や場所取り、外部インストラクター人件費の2点だと思います。
すでに変革を取り組んでいるクラブも確認できますが、問題点を取り除く方法は明確です。
① レッスンの予約制・・・月4回までの予約ができる。
② 追加レッスン予約・・・5回目以降は1予約550円課金。
③ カルチャークラス・・・3ヶ月単位で申し込み12レッスン13,200円〜19,800円
まず①ですが、ライト層の取り込みには有効です。確実に受講できる安心感。予約しているので来館頻度が落ちず定着促進となる。②利用頻度が高い会員は会費外収入を得られ、外部講師料の足しになります。③固定客が付いているクラスはカルチャースクール化することで、講師料金も賄えますし人気インストラクターを流出させることなく囲い込めます。
取り組みを始めたクラブも出てきましたが、成功するためには更にセールスが必要になります。
例>以前プチブレイクした暗闇トランポリンを再セールスする場合
<用意するもの>
① 可愛い豚の絵が掲載されたポスター
② 3kg体脂肪模型
③ トランポリン現物
<自分の今を考えさせるキャッチコピー>
薄着の季節目前、自分の体型に自信が持てていますか?
知っていますか?野生の豚=体脂肪率13% 養豚の豚=体脂肪18% アナタの体脂肪は?
<数字を体感できる脂肪模型でイメージ>
トランポリンエクササイズなら1レッスンで最大800kcal/45分(頑張りによる個人差あり)
10回レッスン参加すれば、体脂肪1kg分のカロリーを消費。
3ヶ月で約3kgの体脂肪をトランポリンエクササイズで消費できます。(週2回参加の場合)
<できると思い込ませる>
安心してください!
飛ぶだけですから運動神経影響なし。
膝の負担も少ないのでビギナーでも安心。
セルライト除去効果もあるので綺麗に痩せられる。
このように誘導していけば、トランポリンをやりたい?やりたくない?ではなく、夏までに痩せますか?痩せませんか?の話になってくる。
結果が期待できれば良いのです。
これで有料ダイエットカルチャースクールの出来上がりです。この経過レポートなどを配信していくことで、外部からの入会者も増えるはずです。
このように現在は勢いがないエクササイズでも、セールスで再び輝きを戻すことが可能です。他のクラブでも流行ってないから・・・そんな理由で考えることを諦めてしまってはクラブの衰退を止められません。
ジム変革
ジムにおいても会費内指導からパーソナル指導と段階的に会員を誘導していくことが必要です。
まず、24時間ジムが放置で成り立っていることを考えれば、監視カメラがあれば無人で対応も可能であるということ。けれども、初心者の定着が難しくなりますし、有料指導にも導けません。
<ジムにおいてのセールス>
① 見学・体験時
② 初回指導
③ 各種ビギナー講座
④ パーソナル指導
まず全て機共通することですが必ず「アハ体験をさせる」ことを心掛けます。
※「アハ体験」とは、何かのきっかけで、これまで理解できなかったことが突然理解できたり、「あ!」とひらめいたりという体験のこと。
①見学・体験時の場合
まず入会いただかなければ始まりませんので、自己流で頑張る24時間ジムとトレーナー常駐のクラブの差を思い知らせることで、価格&距離の差を縮めることが可能です。私は下記内容を話すことで入会を獲得すると同時に、次につながる布石としていきます。
・体の歪み解消の重要性
身体の歪みを説明する。靴底の減り方が均等か?肩は前に出ていないか?「姿勢カルテ」「TRX MAPS」のような測定ソフトがあれば確認しやすい。歪んだ身体をリセットしないままランニングをすれば怪我につながる。筋トレしても歪んだ状態で筋肉がつくので、理想とするボディラインにはならないことを伝える。
・動的ストレッチと静的ストレッチ
運動前のストレッチといえば昔は静的ストレッチ、今は動的ストレッチ、静的ストレッチは運動後に行うのが新常識。常識が覆ることでアハ体験へつながる。
・基礎体温とダイエット
女性には基礎体温を聞く。男性は把握してない方が多い。もし、基礎体温が低くければ基礎体温が低いデメリットを伝える。1℃違えば免疫力37%低下、基礎代謝12%低下など。頑張ってダイエットしているのに結果が出ない=体質のせいと諦めている方も多いが、実は基礎体温の影響だったりする。基礎体温を上げるには筋トレで筋肉を増やすことが近道であると教えることで、筋トレの必要性を感じていただく。
・運動の順番(ホルモン感受性リパーゼと脂肪燃焼)
どのように運動の順番を考えているかを質問してみましょう。ストレッチ→ランニングマシン→筋トレなどと答える方が多いはずです。実際24時間ジムではダイエット希望者の多くがこの順番で運動されています。そこで質問をしてみましょう。「ランニングしても最初の20分くらいは脂肪が燃えないと聞いたことはありませんか?」と。結構皆さん聞いたことあると返答します。更に「ではその間は何が燃えているのですか?」と質問を重ねると、「分からない」と大抵は答えます。ここでホルモン感受性リパーゼの話をして、活性化するためにはグリコーゲンの消費、体温の上昇、アドレナリンと成長ホルモンの分泌が活性化することを伝え、正しい運動の順番は筋トレ→有酸素であることを伝え、逆の順番で運動しても最大限の成果は出ないし、何よりも筋肉を失う羽目になることを伝える。
自己流とトレーナー指導を比較させることで、求める結果を得るにはトレーナーが必要であると理解いただく。
②初回指導時の場合
初回指導でのカウンセリングは特に大切です。相手の話を聞き出すコミュニケーションテクニックが必要になりますので、相応のセールストーク習得は必須です。多くのインストラクターが知識自慢会になっています。これでは次につながりません。
まずは目的を聞き出すことになりますが、多くがダイエットと答えるのは予想できます。そこで食事を聞き出し、サプリメント販売へとつなげます。
・朝と夜控えるならどちらが痩せる?
皆さん夜と答えます。最新のメガデータでは朝食べないグループの方が痩せたそうです。詳しい内容は話さなくてもOK。常識が覆る事で興味が湧き俄然集中力が増します。
・1日に必要なタンパク質量を教える
基礎体温が平熱で、筋肉量が足りている場合、体脂肪を落とすだけなので、タンパク質は筋肉量を維持できる体重1kgに対し1.1g。60kgな方であれば66g。前日の食事を聞き出せば、大抵はこれすらも足りていない方が多い。
筋肉も付けるとなると、体重1kgに対し1.5g。60kgな方であれば90gは必要。こうなるとプロティンなどを併用しなければ無理。肉や魚は部位により差があるものの、100gあたり20g程度しか含まれていない。すると1日450gを目指すこととなる。当然、料理となれば+アルファのカロリーも摂ってしまうので太ってしまう。
「最初はジムに通って運動するだけでも大変です。それ以外にも食事まで大きく変えるとなるとストレスにしかなりません。なので、皆さん最初の頃はプロティンで補っていますよ。やはり結果を早く出したいですしね。」あくまで最初の頃は頼ろうよというスタンス。
朝ごはん=プロティン40g 1日に必要なタンパク量の約半分をクリア。余分なカロリーもない。試飲させて美味しさを実感させ。ダイエット中に食べたくなる甘いものの代わりになると理解させる。
・初回指導
見学・体験セールスで伝えた内容を再度強調しながら、実技指導をしていきます。次のビギナー講座につながる大切なステップとなります。
④ 各種ビギナー講座の場合
今までは数名のトレーナーを配置し、指導サービスを提供していました。多くがアルバイトに依存しており、お世辞にもレベルの高いサービスができているとは言えない事でしょう。
24時間ジムが無人で成立していることを念頭に、全てのサービスを停止して0ベースで構築することが望まれます。まず、指導は全てスタジオレッスンと同じレッスン形式にする。栄養講座、シェイプアップ講座などニーズに合った座学や実技指導を開催する。必要であれば何回でも受講できるレッスン形式なのがポイント。平等に指導サービスを受けられる環境を整備して、それ以外のサービスは基本しない。常連との馴れ合いを防ぐ効果もあります。
ここの出来が次のパーソナルへ会員がステップアップできるかのポイントとなります。信頼と人間関係の構築無くしてパーソナル売上アップはできません。
最後に
総合クラブの会費は値上げ傾向。新規会員が集まらないから、既存会員の会費を上げて補填しよう!このような内容も変わらないのに数合わせの戦略をしてしまうと、確実に会員から見放されます。大幅な改革とそれを実行するスタッフのセールス力を高めましょう。会費を上げなくても、しっかり客単価をアップさせることができます。
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