ヨガがこんなに流行るなんて想像できましたか?フィットネスクラブのスタジオプログラムの50%程度がヨガ・調整系で占めるようになりました。ヨガ専門店も把握できないくらい増殖し、個人に毛が生えたようなヨガスタジオからホットヨガチェーン店まで乱立しています。このヨガブームはどのくらい続くのでしょうか?ヨガの次のブームは何なのでしょうか?今から考え準備しておかないと間に合いません。
ヨガ業界はネタ切れ?
加温状態で行うヨガ派生系
・岩盤ヨガ ・溶岩ヨガ ・コラーゲンヨガなど
「石がいいからデトックス効果が高いよ!」「ランプがピンクでお肌がピチピチになるよ!」と+αの効果をPRしたもの。
常温で行うヨガ派生系
・水の上で行うサップヨガ ・不安定な状態で行うサーフセットヨガ ・宙吊りのハンモックヨガなど
不安定要素でインナーマッスルを刺激したり、3Dの負荷を与えたりするもの。
上記以外にも、名前の最後にヨガとつければいいだけですから、探せば色々出てきそうですが、流石にネタ切れ感はありますね。
新規事業でヨガ業態を希望される企業様には否定的なアドバイスをしています。都心は飽和状態で新規出店はリスクしかありません。郊外でも総合クラブが遅まきながらホットスタジオに改装するのがブームですので出店にはリスクが伴います。
そもそも何故ヨガがブームになった?
ヨガとはインド流の精神修行です。最終目的は瞑想を通して「悟り」に到達することです。果たして悟りに到達したインストラクターは何人いるのでしょうか?そもそも、インドで汚い神聖な川で沐浴したり、カレーを右手でかき混ぜて食べたりしているのでしょうか?極論、日本で行われているヨガは、ほとんどがパチ物で、中国の遊園地にいるドラえもんのようなものかもしれません。雰囲気だけ取り入れているということですね。ほとんどがパチ物ですから、現在の何でもありのカオス状態は当然の結果かもしれません。
日本人はヨガを本来の精神修行としてというより、美容として取り組んでいるのです。
参加者の頭の中!
私にもできそう!
ホットなら汗をかいて痩せそう!
デトックスもできるらしい!
芸能人もしているし、なんだかオシャレ!
こんな感じの方が多いのではないでしょうか?
ヨガがブームになった最初の要因は、①私にもできそう!です。基本インド流ストレッチなのですから、パワーヨガなどを選択しなければ誰にでもできます。この敷居の低さが大きなポイントでした。
大ブームになったのはホットヨガが持つイメージが関係しています。②ホットなら汗をかいて痩せそう!これまでダイエットにはランニングをしたり、ジムで筋トレしたり、エアロビクスのような有酸素運動をしなければ結果が出ないと思われていた時に、ホットヨガという商材が転がり込んできたからです。楽して痩せられそうなのですから飛びついて当然ですよね。更に③④が加わり今に至るわけです。
今後のヨガは?
ホットヨガなら楽に痩せられそう!
それで・・・実際に痩せたの?ということです。汗かいて痩せる=サウナで痩せたと言っているオジサマと同じわけですが、これは理論的にあり得ません。最近のホットヨガは室温が40度にもなるスタジオがあります。熱ければ熱いほど汗出るという発想なのかもしれませんが、エクササイズ強度は逆に楽なものへとなっています。要するに運動の効果としては低くなっているわけですから、ダイエットどころか筋力アップ、運動不足解消にもならないということです。
一番の痩せるという目的がコミットできない事が、だんだん世間に知れ渡ってきたわけです。デトックスに関しても、汗は3%しかなくイメージが壊れてきています。
これからのホットヨガは方針転換を余儀なくさせられるでしょう。加温競争は終わりを迎え、プチ加温でエクササイズレベルを上げていく、そんな当たり前の方向へシフトしていくのではないでしょうか。専門店も一定数は生き残るでしょう。
ホットヨガにばかり目を奪われてきましたが、常温ヨガでは+αの効果を出す新感覚ヨガが育ち、今後も伸びてくると思います。ただ、ハンモックヨガは天井問題がついて回るので苦戦しそうですね。
瞑想が流行るらしいとの噂
アメリカで瞑想が流行っているらしい。設備投資もいらないし次はこれですね!と思っている方が結構います。確かにヨガに似ていますが・・・流行らないでしょ!と個人的には思います。まずヨガが流行ったのは、ホットヨガの登場でダイエットとイメージが結びついたからです。瞑想では全く結びつきません。また、アメリカと日本ではセラピー文化の土壌が違います。映画やドラマにはセラピストなる職業の方が登場し、心の悩みを相談することが当たり前のようです。見栄を張り、私が私がと前に出ていかないとチャンスがない国ですから、ストレスも相当なものでしょう。これのライト版が瞑想と思えばいいです。なので、アメリカではすんなりと浸透していきました。では日本では?セラピーにかかっている=精神的に問題を抱えている・・・なんて目で見られてしまうかもしれません。マインドコントロールの一種?なんて偏見も最初はあるでしょう。なかった文化を広めるには結構時間がかかりそうです。流行るとしても先の話で今すぐ取り組むのはリスキーです。
メディアが取り上げているクロスフィットに時代は移るか?
6パック先生などと、女性トレーナーが注目をされテレビでも結構見るようになりました。やれば痩せるだろうな!と一目でわかります。けれど、ホットヨガで開拓された層がなびくとは思えません。①私にもできそう!感が全くありません。ヨガの次のステップが望まれているのです。
リフォーマー・ピラティス時代が到来!
日本のヨガマーケット調査2017によると、ホットヨガを抜きピラティスがトップに記載されています。フィットネスクラブのプログラムでもポピュラーなピラティスですが、元々は「第一世界大戦当時ドイツ人看護師のジョセフ・ピラティスが、傷病兵にマットレスのスプリングを使いリハビリテーションを行いました。この新しいリハビリ方法が後にピラティスメソッド。」アンケートではヨガと同じ括りにされてしまっていますが本来別物です。
日本でピラティスと言えばマットピラティスをイメージされますよね。でも世界ではピラティス氏が開発した、約500種類のエクササイズが可能な専用マシン「リフォーマー」を使いグループレッスンを行っています。
様々なエクササイズ器具が発売されている現代においても、一切形を変えることなく当時のまま発売されており、リハビリテーションからアスリートまで幅広く利用され、高い効果をだしています。
ホットヨガブームの次に来るのはアンケートを見ても間違いなくピラティスです。それもリフォーマーを使ったグループピラティスが勝負ポイントであることは明確です。
リフォーマー・ピラティス導入のハードル!
一時期大手マシンメーカーがリフォーマーを販売しましたが現在では撤退しています。
まあ、バイクエクササイズも撤退したものの、今では音響照明で人気になったり、10年間も見向きもされなかったトランポリンエクササイズが人気になったりしますので、時代の流れというものです。
リフォーマーなどは輸入販売するメーカーも出てきましたので安心ですが、問題は人材育成です。ピラティス業界は資格取得が非常に難しく高額です。なので、クラブがスタッフに資格取得させるにはハードルが高過ぎました。
でも、最近では各種プレコリオと同様の研修期間で取得ができ、毎月エクササイズコリオも提供し、時間をかけて教育する現実的な団体も出てきています。
写真は世界82ヶ国に展開する世界最大級の人材総合企業マンパワーグループがスタートさせたピラティスアカデミー。
リフォーマーとランニングマシンを組み合わせた新業態(アメリカ)
変わらないものを極める!
長年世界で愛されてきたリフォーマーピラティスなので流行に左右されません。これは導入するクラブにとって一番の魅力です。でもリフォーマーピラティスだけでは、「痩せたい!」というニーズには物足りません。そこは+αの工夫が必要です。写真のようにランニングマシンと組み合わせたり、BFR(血流制限)トレーニングと組み合わせてダイエット効果を見せていくなど、ポイントを押さえてしまえばブランディングは簡単です。当然、専門店舗の展開も非常に容易です。
まとめ
ホットヨガブームには後手に回ったフィットネス業界ですが、次のステップでは先手を取り大勢の顧客を獲得したいものです。
少しでもヒントは得られましたか?