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  • 執筆者の写真isokari3

どうなる24時間ジム

更新日:2020年9月11日


業界未経験企業が短期間で100店舗近く出店するなど、24時間ジム出店の勢いが止まらない。以前もカーブスなどの黒船襲来がありましたが、今回は少し状況が違うようです。

今号では好調な24時間ジムを中心に、今後を予測していきたいと思います。

カーブスとの違い

女性専用30分サーキットで全国に店舗展開するカーブス。

当初、業界関係者の多くはカーブスが成功するとは思っていませんでした。

簡素な油圧マシンで会員数を500名程度集めるなど真偽を疑ったほどです。

好調のカーブスを真似し、同様の専門店が多数生まれましたが、ついに成功の声は聞こえてきませんでした。

カーブスの成功には練りこまれたセールスノウハウがありました。

ですから形だけをまねた店舗は成功できなかったのです。

このように、成功するには他店を圧倒するノウハウがあるものなのですが、24時間ジムはノウハウを必要としません。特に今まで一番大変でもあった人材育成が必要ないことで、業界未経験企業が容易に参入できるようになりました。

24時間ジム参入は容易

24時間セキュリティシステムを導入さえすれば、あとはマシンを配置するだけ!

同様の坪数を必要とするネットカフェなどをオープンするより簡単かもしれません。

フランチャイズもありますが、独自で展開する会社が多いのも頷けます。

マシン購入(仮に5000万と想定)

  • フランチャイズ→ほぼ定価(5000万)

  • 独自交渉→定価の50%程度(2500万) 

  • 中古マシン→定価の30%程度(1500万)

なんと最大マシン購入費で万円も差が出る。

私の会社にも相談者は多く来られますが、皆さん口々に「フランチャイズに加盟してもホームページはチープだし、、、価値を感じない!」と言っています。「加盟金を払うくらいならホームページを充実させて広告費に回したほうがいい!」とも。

ゴールドジムに通う会員が、新規事業でクラブをオープンさせ会員数1000名突破!など、実際の成功例も多くなってきました。

どうなる24時間ジムの今後

マシンメーカーにとってはウハウハの好景気。「マシンの供給が間に合わない!」そんな声も聞こえてきます。

出店するクラブ側も、早く出店して場所を押さえることが成功のポイントと考えているようです。

でも必ず競合は出店してきます。

完全なる施設提供業ですから、クラブへの愛着もなく簡単に移籍されてしまいます。

当然後発のクラブは勝てるプランで出店してきますので、会員を奪われることは明確です。スペースが決まっていて、人的サービスがない24時間ジムにとって対抗策は会費ディスカウントしか道はないはずです。

大型・低価格化が進む

初期の24時間ジムに比べ、最近の24時間ジムはフリーウェイトを充実させ、規模も大きくなってきています。以前はスミスマシンとベンチプレス台程度しかなかったですが、

パワーラック

ハーフラック

プリチャーカール

マルチケーブル

45度レッグプレス

高重量ダンベル

などが導入されているクラブが増えてきました。

ウエイトマシンも、より本格的なラインが導入される傾向があります。

今後はハンマーストレングスに代表されるプレートローデットマシンなど、ゴールドジムに近いラインをそろえたクラブが多くなるはずです。

低価格化も進んできています。上記のラインを備え月会費3000円程度で展開するクラブも出てきています。

現状50-60坪程度で8000円近い会費を設定しているクラブが、より大きく、ラインナップも揃い、半額以下の価格設定で競合が出店してきた場合、対抗手段はないはずです。

発祥の地アメリカでも、月10ドルで大型ジムが使い放題のプラネットフィットネスが勝ち組です。日本も同じ道を歩むのは当然です。

生き残るための差別化は

大型・低価格化が進んでいく中、生き残るための差別化について考えていきましょう。

最初に考えるのは、昼間の時間帯の集客アップでしょう。

ターゲットは中高年や主婦となります。この層を集めるにはレッスンを行うことと誰もが答えを出すことでしょう。総合クラブには毎日何時間も楽しむ中高年と主婦を目の当たりにしているのですから。

でも、レッスンをするにはスペースが必要です。更に教えるスタッフも必要になります。そのレッスンをして集客する販促も必要になります。この家賃増+人件費増+販促費増に見合う売り上げが見込めるとも思えません。

では、映像レッスンを活用するのはどうでしょうか?撮影したレッスンを流せば人件費はかからない!そんなことを考える方もいます。確かに人件費は抑えられますが、家賃増+販促費増は変わりません。映像レッスンも参加者を満足させるためにはサポートスタッフの活躍がカギとなり、放置して流すだけでは会員は魅力を感じません。なにより時間に余裕のある中高年は総合クラブへ行くはずです。

ファンクショナルエリアを設けるのはどうでしょうか?総合クラブでも閑散としているファンクショナルエリアを時間ジムに設置しても利用されるとは思いません。

結果、大型・低価格化は進み、パーソナル指導で利益を上げていく戦略しかなくなるでしょう。

既存クラブの24時間対応

200坪強のジム・スタジオ型クラブで、24時間営業にしたところ会員数は1.6倍になりました。フリーウェイトなどの設備はありませんが、営業時間中はスタッフサポートも受けられ、レッスンに参加することもできます。今後このような流れは多くなるでしょう。

これからは総合フィットネスのサイトというよりも、各運動エリアでランディングページを作り、マイビジネスの登録も行い対応していくことで改善できます。そうすると、先ほどの成功例のような結果が出てきます。時間ジムにとっては更に厳しい状況に追い込まれます。

クラブのリスティングを分析すると「地域名+ジム」の検索件数が非常に多いことが分かります。「地域名+フィットネス」と比較すれば一目瞭然です。ここで分かることはフィットネスという単語は最近ではパワーがないということです。でも自分たちはフィットネスクラブと表現していますので、検索でもなどでも劣勢だったりするわけです。

なぜこのような会員数増の成果が出るのでしょうか?

行きつくところは人

競合も増えてくる。既存のフィットネスクラブも対策をしてくる。

結果、会費をディスカウントするしか道が無くなるかもしれません。

では、そのマイナス分を補い、なおかつ競合対策を考えるならば、な人に頼るしかないのです。

優秀なパーソナルトレーナーの確保が最重要課題となります。

それも、様々なクラブを渡り歩くフリーのパーソナルトレーナーではなく、クラブ専属のパーソナルトレーナーが必要です。そこで出た結果を発信し、ブランド価値を高めていく。皮肉なもので、人材育成が必要なく簡単にオープンできる24時間ジムも、今後はパーソナルトレーナーの育成と管理という非常に高いハードルが待っているのです。

まとめ

一昔前、ライザップを真似てパーソナルジムを開業するトレーナーが多数いました。1年も持たずに閉店し、銀行からの借り入れだけが残った。仕事柄そんな方を大勢見てきました。

今回の24時間ジムも同じ匂いがします。いや、オーナーの思い入れがない施設も多いのでもっと危ないかもしれません。24時間ジム閉店ラッシュ。大量の中古マシンが市場に出回る。そんな事態も考えられます。

今号では私なりに24時間ジムの将来を予測してみましたが、最終的に成功できるのは、母艦となる総合フィットネスクラブを持ち、その周辺に24時間ジムを展開し、エリアを面で抑えた企業だろうと思います。

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