top of page
執筆者の写真isokari3

フィットネスバブルを生き抜く(後編)

更新日:2020年1月30日


前編では24時間ジムと総合クラブの24時間営業化について、押さえておきたいポイントを紹介していきました。後編では24時間ジム、総合クラブでのスタジオについて考えていきます。

24時間ジムのスタジオを考える

24時間ジム言えば、カーディオ、ウエイトスタックマシン、フリーウエイトで構成され、スタジオは無いというのが現時点での常識。

しかし、快進撃を続けるファストジム24では、女性集客にヨガ・ピラティススタジオを併設する店舗も出現してきました。今後競争が激化してくれば、施設大型化・低料金化が進んでいくことは目に見えていますし、地方郊外での出店を考えると差別化できる+αのアイテムを求めたくなります。

ファストジム24のように母体が総合クラブチェーンであれば、スタジオインストラクターの確保や教育などもノウハウがありますが、24時間ジム単体での運営経験しかなければ、100%インストラクターに頼らざる負えないスタジオ運営は、24時間ジムのような人に頼らない施設提供型ビジネスの真逆に位置するもので、スタジオ導入に手を出すのは躊躇するはずです。

では、今後の競争激化に対応する為にスタジオを設けるならば、どの様なスタジオが理想なのかを私なりに考えていきます。

私の見解では、現在の24時間ジムはコンセプトが偏っていると思います。空前の筋トレブームの波に乗り、フリーウエイトエリアが拡充され、プチ・ゴールドジム化しているクラブが増えてきましたが、誰もが過度な力持ちや筋肥大を目的としているわけではなく、多くが自由自在に気持ちよく動ける身体を望んでいます。では実際に店舗を設計する際にどのように設計するかというと、

  • 基礎体力をアップさせる基本的なゾーン。

  • 筋肥大、筋力アップを目的とするフリーウエイトゾーン

  • 動きの質を高めるファンクショナルスタジオゾーン

このような3つのゾーニングが今後の主流となります。

ファンクショナル専門店を演出する!

TRX を皮切りに日本でファンクショナルトレーニングが普及しました。スポルテックでも多くのマシンメーカーが、ファンクショナル関連の器具やプログラムを紹介しており、今まさに世界のトレンドであることが分かります。でも、現実は総合クラブでは、今一つ盛り上がりに欠け、アングルなどは、ただのオブジェ化しているクラブが多いのも事実です。

24時間ジムにスタジオとして設置しても使わないだろう。そんな意見もあるでしょう。でもそれは必要性と成果を提供できなかっただけで、問題はトレーナーの質やクラブの問題です。

10数年前多くのクラブでバイクエクササイズが鳴り物入りで導入されましたが、いつの間にか消えていった・・・。でも、最近では暗闇&プレコリオのおかげで、ようやく日本でも人気エクササイズとなった。このように、ファンクショナルトレーニングもなにか起爆剤があれば一気に人気が再燃すると思っていました。そしてついにTRX MAPSが先陣を切って登場してきました。

TRX MAPSは、3Dセンサーにより、わずか30秒でMobility(関節の可動性)、Activation(筋の活性)、Posture(姿勢)、Symmetry(動きの対称性)の4カテゴリーが計測され、改善エクササイズがアプリを通じて提案されます。現在は全て英語版ですが、春には日本語提供されるそうです。

TRX MAPSのように、今まで問題であった必要性と成果を与えられる商品が出てきたことにより、トレーナーはスムーズに会員を誘導することが可能となります。

24時間ジムスタッフは業務の幅が狭く単調なので、ファンクショナルに特化して深く学ぶことができます。

更にYouTubeなどでも論議を巻きおこしていますが、「ランニングでは痩せない!」などで検索ください。「痩せないし老化する!ランニングの真実」など科学的根拠を基に有名人が投稿しています。根拠は動画で確認いただくのが一番なので省略しますが、ファンクショナルサーキットなどが最も効果的であると断言されています。これらも追い風であることは間違いありません。

私のプロデュースする24時間クラブも、坪数に余裕がある場合必ず提案するポイントです。

総合クラブのスタジオを考える

50歳を超えたフリーインストラクターが、同様の年齢の会員と毎日恒例の風景を繰り広げる。

何度も記事で書いていますが、WEB予約システムは即導入をお勧めしています。ヘビーユーザーに場所取りや連続受講で、ライトユーザーが受講したいレッスンを諦めることが無いようにするための最高の戦略です。またWEB予約を一定回数以上は有料にすることで、ヘビーユーザーからの課金も期待できます。細かなポイントはバックナンバーで対象記事をお読みください。

プログラム内容

楽しさ(fun)が優先され、参加者はいかに体力を温存し、数多くのレッスンに参加するのかを考える。まさに本末転倒な状況。クラブは改革しようにも、インストラクターと常連会員の声を恐れて手をこまねいている。

専門スタジオも数多く出店し鎬を削る今、柱となるメインプログラムを持つことは生き残る最大のポイントとなります。

専門店であるフィールサイクルでは、

  • 45分間の1レッスンで約800kcal

  • 脚、ウエスト、ヒップ、二の腕や全身に高いシェイプアップ効果

  • 最高の爽快感、達成感、一体感

などをPRしています。単調になりがちなバイクエクササイズを7種類のプログラムで飽きさせない工夫はさすがです。プレコリオでは1種類 しかも3か月同じプログラム・・・これではメインプログラムになりません。

では、どうすればよいのか?クラブのメインプログラムを構築するしかないのです。24時間ジムでも着目しましたが、トレーナーとの相性が良いのはファンクショナルトレーニングです。外部のコリオグラファーを活用し、オリジナルプログラムを構築し、成果を出していく。スタジオが2つあるクラブは、1つをファンクショナルスタジオに改装し、本物のクオリティレッスンを提供する。そして、今までのプログラムは残りのスタジオで提供する。

この提案はクライアントにも驚かれますが、ヨガはヨガ専門店も多くできており、販促も当然ヨガに特化したもので総合クラブでは専門店に勝るPRはできません。ピラティス専門店も同様です。

極論、クラブのスタジオの柱は何ですか?これを明確にすることです。付属でこんなバラエティレッスンも用意していますよ。こんなアプローチで十分なのです。

24時間ジムはパーソナル、セミパーソナル、自主トレーニングでのファンクショナルスタジオ活用。総合クラブはグループレッスンでのファンクショナルスタジオ活用。いずれも成果をしっかり取り、販促に活かしていくことが大切です。

まとめ

クラブの人材や競合状況によっても戦略は変わるでしょうが、後手に回っては勝機がありません。今回紹介した内容でオープン、リニューアルするクラブの今後も紹介していきたいと思います。


閲覧数:208回0件のコメント
bottom of page