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  • 執筆者の写真isokari3

2021年 総合フィットネスクラブ 攻めの戦い方




東京オリンピックは7/23〜8/8の期間で開催される予定です。

春過ぎからは各国選手団が来日し、国内は一気にお祭りモード。人々のフィットネス熱も再燃し、疫病で苦しんだ2020年が嘘のように業績も回復する。

皆さんが思い描く明るい未来ですが、12月後半時点の状況は、ロンドンで感染力に強いコロナ変異種の感染拡大で都市封鎖。国内でもGoToキャンペーンが中止になるなど、終息が見えない暗い状況が続いています。

会員数が30%程度減るなど、苦しい経営に耐えているクラブ経営者も、2021年は積極的なリニューアルで攻めていくか?徹底的な経費削減で守りに徹するか?判断を決めかねている時期かと思います。今号では明るい未来を前提に考えていきます。


総合フィットネスクラブの24時間化

大手クラブチェーンでは24時間営業を始めるクラブが増えています。

これは24時間ジムへの対抗手段で導入しているのでしょう。

果たしてどれほどの集客効果があるのでしょうか?

24時間ジムでも夜中や早朝にトレーニングされる方は少数です。

来館される方は、いわゆる意識高い系の方であり、多くがフリーウェイトを好む層です。

運動着のまま訪れ、駐車場から即アクセスできる環境と、夜中に一人でも不安にならない丁度いい空間サイズを好みます。

さらに言えば、フィットネスクラブで好まれるマシンと、24時間ジムで好まれるマシンは違います。見誤ると折角24時間対応にしても期待した集客は得られないでしょう。

ある24時間ジムの大手チェーン店では2種類のメーカーが採用されていますが、私は出張先で通う場合、ホームページで採用メーカーを確認して行くかどうかを決めています。

これは私に限ったことではなく、結構な率でそのような方がいるのです。

なにより、24時間営業じゃないと通えないという層は一握りであり、24時間ジムも増えてきていることからも、総合クラブがその小さな市場を取るために、24時間営業することが良いのか?と聞かれると、私は必要ないでしょう!と答えます。


現状の集客戦略

各社アイデアを絞り出してキャンペーン内容を考えています。

疫病が終息しなければ高齢者の新規獲得は見込めないことから、若年層を獲得する戦略を組んでいます。驚いたのはルネサンスの60分会員。4,950円で土日も使える。昔リーマンショック後には90分会員という格安会員種別が多くのクラブで導入されましたが、まさか60分とは・・・。テップネスのスタートアップ会員3,000円も、今までであれば月会費1ヶ月無料などと、割引として見せていたものを、会員という名前をつけることで、あたかも新しいお得な会員種別ができたような勘違いをさせる。Web広告などで目を引く手法を考えています。

要するに考えをまとめると、現在の会員種別の価格では集客が得られないということです。

ジャパンネット銀行で、「コロナ禍前後で増えた出費と減った出費」というアンケート調査が行われました。注目点は娯楽費△70%、自由に使えるお金△35%であったことです。

この調査は7/1に行われたものですが、現在もそんなに変化はないかもしれません。

私はクラブを出店する場合、地域の競合を分析して会費システムを考えますが、着目するのはナイト会員や土日会員など、メインではない会員種別です。理由は明確で、メイン会費で集客できないけれど、会費を下げると現会員からの売り上げが下がる・・・そこで苦肉の策として導入するのがナイト会員だからです。ですからナイト会員の会費がエリア適正価格と考えます。でも現在は、その考えすら当てはまらないピンチな状態と言えます。


何でも使い放題は無理がある?

何でも使い放題をベースで考えると、現在のように時間の切り売りしか手はありません。

ですが、顧客目線で考えた場合決してベストとは言えないのです。

多くの会員は利用エリアが偏ります。プールしか利用しない方、ジムしか利用しない方、スタジオしか利用しない方、温浴しか利用しない方もいますし、ジム利用者でもフリーウエイト中心など特徴があります。

顧客が望むのは、必要なエリアとサービスなのです。

例えば一般ジムをベースとして、フリーウエイトエリア、一部スタジオレッスンなどを追加課金にするなどの考えです。

考えても見てください。24時間ジムはジムだけを専門店として切り出したモデル。専門スタジオもスタジオを専門店として切り出したモデルです。

24時間ジムであれば、24時間使える利便性があり、専門スタジオは完全予約制で自分の枠が確保されている安心感があります。それぞれが支持を得てビジネスとして成り立っています。

総合フィットネスクラブが、ディスカウントスーパーと同じ道を選択するか、百貨店のような専門店の集合体の道を選択するか、まさに今が決断の時期ではないでしょうか。

当然、クラブにより抱えている問題は異なりますので、これが正解という簡単なものではありません。


攻めのリニューアル

専門店の集合体にしていくには、各エリアが納得のクオリティである必要があります。初期のクラブに多いケースですが、プールや温浴はしっかりしているが、ジムやスタジオの規模が貧弱で魅力に欠けるクラブが結構あります。これらのクラブの特徴は高齢者が多く、若者からは敬遠されるクラブである場合がほとんどです。

このようなクラブを再生させる手はあるのか?

私の案では、総合フィットネスクラブの強みは絶対的な坪数。

マンション業界でもリノベーションマンションというのがあります。一旦スケルトンにして、間取りと設備を一新することで再生しています。

では具体的にどうするのか?

提案はプールを潰しましょう!ということです。

スイミングスクールで売り上げの多くをプールエリアで賄っているクラブを除けば、考えてみるべきです。実際に当社クライアントでも、実現に向けて検討しているクラブも多いです。

再度プールについて考えてみましょう。経費は凄くかかります。でも利用者は2割程度でメンバーも固定。25mの1コースで3名も利用していれば混んでいるイメージ。坪効率で考えれば最悪です。老朽化したプールでは設備を維持するだけでも大変な金額が必要です。

このプールを潰したとしましょう。200坪を超える巨大空間が生まれます。柱もなく天井も高い。ジム・スタジオ型のクラブが丸々収まる空間が生まれるのです。

200坪のメガジム、100坪&60坪の大型スタジオなどが、現在のスペースで実現できることになります。なにより、改装する場合も休業しなくても営業可能です。

スタジオの予約システム、有料課金レッスンなど、運営システムを大幅に変更できるチャンスも生まれます。

あくまでも案の一例に過ぎませんが、ゼロベースで考え直す時期が来ていると思います。

2021年攻めの戦いを考えてみては?




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