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  • 執筆者の写真isokari3

総合フィットネスクラブ リニューアルを考える

前号に続き総合クラブ再生について深掘りしていきます。

当社では総合クラブのリニューアルを数案件抱えていますが、実際の実績が出てから記事を書いていると半年後になってしまいます。

今まさに崖っぷちで悩まれているクラブも多いことは認識していますので、先出しで私の考えるリニューアルポイントを記事にしていきます。


プールをメガジムへ

何度も記事で書いていますが、スイミングスクールで一定数会員が獲得できていない状況であるならプールを諦めましょう。3000万程度の改装費は必要ですが、150坪の柱もなく天井高もある大空間が生まれます。海外のジムの映像で見たことがあるメガジムの誕生です。近隣24時間ジムの2倍強サイズですから圧倒的な魅力となります。

工事費を抑えるポイント。ジャグジーなど造作物がある場合、壊すよりも1段上げてジムを見下ろすカーディオゾーンを作ると見栄えもコスト面でもベストです。

<参考レイアウト>

既存ジムの有効利用は

プールにジムを移したら、今までジムだったエリアをどう活用するのか?その問題が出てきます。私の提案は

① 初心者・高齢者向けのケアジムを作る。

② 女性専用ボディメイクジムエリアを作る。

③ プレミアムジム(パーソナル・セミパーソナル含む)を作る。

④ 既存スタジオが1つの場合、スタジオを増設する。


まず①のケアジムについて、誰もが激しい運動を望んでいるわけではありません。しばらく運動していない。加齢と共に思うように体が動かない。柔軟性がなくなってなんとかしたい。など、鍛える以前に普通になりたい。昔のカラダに少しでも戻りたい。そんな、はじめの一歩となるエリアを必要としています。ストレッチ、筋膜リリース、基本的なトレーニングをトレーナーが付いて教える事で安心して始められる環境を用意します。


次に②の女性専用ボディメイクジムエリア。24時間ジムの利用者は男性8割:女性2割と圧倒的に男性が多い。プールにメガジムを作っても利用比率は変わりません。男性が我が物顔でトレーニングしている空間に、初心者の女性が馴染めるわけはありません。なので、女性専用のボディメイクジムを作り魅力的な居場所を用意するのです。


③のプレミアムジムの考え方は、単なるパーソナルジムを作る。VIPエリアを作るなどの単純なものではありません。欧米の今、日本で言う10年後のジムの在り方を具現化したエリアとしています。現在空前の筋トレブームですが、要するに見栄えを重要視するだけのトレーニングです。筋トレYouTuberと呼ばれるインフルエンサーがトレーニング動画を発信し、若者が憧れを持ち真似をする。インフルエンサーの多くが公言はしていませんが筋肉増強剤を使用するドラッグ中毒者です。パーソナルと称してドラッグの使用方法を自己流で教えて稼いでいる方もいます。最近ではインフルエンサー自身が内臓を壊したり、亡くなったりと物議を醸しています。発信しているトレーニング内容もドラッグありきの内容で、ナチュラルの方に適さない内容が多いです。

例えば、ナチュラルトレーニーの場合、筋タンパク質合成が高まるのはトレーニング後24時間〜48時間。これに対し、ドラッグ使用者はトレーニング後1週間も高まっている。ナチュラルであるなら週に2度は同じ部位をトレーニングする必要があり、ドラッグ使用者のような1部位週1回のトレーニングでは期待する効果は得られない。トレーニング内容もドラッグ使用者はアイソレーション種目と高回数を好みます。これはドラッグで筋肉は強くなるが靭帯は強くならないため、怪我のリスクを避けているためです。さらにパンプアップさせてドラッグを筋肉に届けることも目的としているからです。これを真似てジムでは中重量で丁寧にトレーニングしている初心者を見かけますが、ナチュラルではある程度の強度のトレーニングをしなければ効果は期待できません。このようにトレーニングの頻度も内容もナチュラルとドラッグ使用者では全く異なります。

インフルエンサーに憧れトレーニングを真似、アパレルを買い、高価なサプリを買っているトレーニーが裏の現実を知った時、筋トレから去る可能性も否定できません。

このような状況を正すためには、トレーナーがしっかり学習して指導できる知識を手に入れることですが、現状を見るとトレーナー時代の意識も低くまだ時間はかかりそうです。

競技アスリートがパフォーマンスアップのためにどんなトレーニングをしているかご存知ですか?動画などで海外のフットボールチームのトレーニングを見たことはありませんか?柔軟性・パワー・スピード・敏捷性・持久力と全てにおいて高めるトレーニングが行われています。結果誰もが憧れる自然なカラダを手に入れています。多くの方が望むカラダであり機能です。これらのトレーニングをアメリカではリーボックが主催するクロスフィットゲームスとして、競技化した大会も盛んに行われています。ジムでも影響を受けフリーウエイトゾーンが縮小され、クロスフィットゾーンなどが追加されています。

日本でもTRXに代表されるファンクショナルトレーニングが存在しますが、ブレイクする兆しは残念ながら見られません。まだ、日本ではトレーナーの質、会員のレベル的にも時代が早かったということです。プレミアムジムではパーソナル、セミパーソナルで会員にしっかり必要な知識を教え、ファンクショナルを含むトレーニングを提供し、結果を出すエリアとなるようにプランニングします。

最後に③のスタジオですが、1つをマルチスタジオ、1つをマシンピラティススタジオの2スタジオ体制を作ります。大抵ジムエリアに面したところにスタジオはありますので、トレーナーも管理がしやすくなります。マルチスタジオでは外部講師による課金式レッスン、バーチャルレッスン、スタッフによるレッスンを提供し、マシンピラティススタジオでは課金式レッスンを提供していきます。この辺の考えについては過去の記事でも記事にしているのでバックナンバーを読み返してください。


料金の考え方

立地にもよりますが、基本会費は24時間ジムと同等以下に設定し、利用可能エリアはメガジム+女性専用ジム+ケアジム+会費内で受講できるスタジオプログラムとします。指導スタッフはケアジムには常駐させ定着サポートを行います。

これだけで、近隣24時間ジムは大打撃を受けることでしょう。

追加オプションでマシンピラティススタジオやプレミアムジムの利用を加算していきます。

契約パーソナルトレーナー営業ブースも設け、パーソナルトレーナーがクラブ内で賃料を支払うことで営業拠点を持てるようにします。

仮に基本会費6,000円(税別)とした場合、

・ピラティスに参加したい=ピラティス月4回コース4,000円

・有料スタジオプログラムに参加したい=月4回で3,200円(1回800円)

・プレミアムジムセミパーソナルに参加したい=月4回で12,000円(1回3,000円)

・目的別パーソナルをお願いしたい=契約パーソナルトレーナーの指定料金

今まではプールの維持費を会費分担してきましたが、プールをメガジムに変更するだけで、圧倒的な競争力を持つクラブへと生まれ変われます。


最後に

総合クラブは圧倒的な坪数が武器です。なので、市場に対応して横綱相撲が取れます。今号で書いた内容は実際にリニューアルを手がけている店舗企画をチョイスしたものです。あなたのクラブは起死回生のプランがありますか?

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